【読みはじめたきっかけ】
タイトルがカッコいいですよね。
茶道関連の物語を探していまして、惹かれました。
【この本を読んでみて】
物語は千利休が主人公で進みます。
随所に茶の湯、当時の歴史観の説明があるため、戦国時代に慣れ親しんでいないわたしでも読みやす買ったです。
この時代の人たちはなんと強かであること。どうしてそこまで自領の大義を掲げ、鼓舞しあえていたのだろうかと感じました。
茶の湯を通すことで、”天下を慰撫する道具として”裏の政治や権力争いの場として用いられていたか描写されています。
何事も武力で押すばかりではなく、荒ぶる心を鎮めること。
それは、一種のセラピーの役割をしていたとの記述は新しかったです。
この本を読むと、織田信長は先見の明があり、偉大な改革者なのだと思わされる、それを豊臣秀吉が跡を継ぎアップデートを続けていた印象です。
ひとつひとつの言葉遣い、応酬がリアルですぐ横に千利休や豊臣秀吉がいるかのように息遣いが聞こえてきます。
この言葉が心に響きました。
『侘びとは、己の胸内の作意を具現化すること。見るものの心のあり方次第で、美しくもあり醜くもある』
『天下を動かすのに兵などいらない』
著者の他の本も読んでみたいと感じました。